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梅雨シーズン 食中毒に要注意!
暑い夏が近づいていますが、その前にじめじめした梅雨が控えています。私たち人間にとっては過ごしにくく、憂鬱な季節です。ところが、細菌やカビにとっては高温多湿という絶好の環境が整うことから、本格的な食中毒が始まるシーズンでもあります。台所の衛生管理、調理の方法や食べ物など、家庭でできる食中毒予防の基礎知識をしっかり身につけて、元気に夏を迎えたいものです。
イラスト

1 食中毒のピークはこれから
イラスト1年間で発生する食中毒の約6割は、6月から9月に発生します。なかでも、ピークは7月・8月の最も暑い時期で、気温と湿度の上昇が細菌の繁殖を活発化させる原因となっています。原因食品としては、1)魚介類(主に刺身類)、2)複合調理食品(主に弁当類)、3)野菜およびその加工品と続いており、いずれも正しい衛生管理をすれば、食中毒は予防できます。
グラフ:月別食中毒発生件数(平成15年までの10年間の平均)
資料:食品監視課食中毒調査係発表 東京都食中毒発生状況より抜粋


2 食中毒ってどんな種類があるの?
イラスト食中毒は原因別に、食中毒菌によっておこる「細菌性食中毒」、フグやキノコなどの毒でおこる「自然毒食中毒」、農薬や水銀などでおこる「化学性食中毒」の3つに分けられます。日本で発生している食中毒の9割以上は細菌感染によるものといわれています。

主な食中毒菌
腸炎ビブリオ
細菌性食中毒発生件数の上位となるのが腸炎ビブリオによるものです。
[主な原因食品]
海の魚介類とその加工品など。
[菌の特徴]
塩分を好み夏場には海水中で大量に増殖、淡水中では生育できません。10゚ C以下では増殖できず、60゚ C以上では10分以内に死滅します。
[主な症状]
下痢、腹痛、発熱、吐き気、嘔吐。
黄色ブドウ球菌
腸炎ビブリオに次いで、食中毒の原因となるものです。
[主な原因食品]
穀類の加工品、弁当、おにぎり、生菓子など。
[菌の特徴]
人や動物の化膿創や手指・鼻咽喉などに広く分布します。食品中で増殖するときに毒素を産生し、これが食中毒の原因となります。60゚ C、30分〜60分の加熱によって死滅します。
[主な症状]
吐き気、嘔吐、下痢、腹痛。
サルモネラ
こちらも食中毒発生件数が多く、注意したい食中毒菌です。
[主な原因食品]
熱処理が不十分な食肉及びその加工品、鶏卵、淡水魚など。
[菌の特徴]
動物や人に広く分布しています。食肉、卵、乳などを介して中毒になる事が多いです。熱に弱く、60゚ C、15分の加熱で死滅します。
[主な症状]
頭痛、腰痛、発熱など。
病原大腸菌
腸炎を引き起こす大腸菌で、最近では病原性大腸菌O157が広く知られるようになりました。
[主な原因食品]
原因食品は多種にわたります。未消毒の井戸水やレバー刺しなどの生肉は要注意です。
[菌の特徴]
家畜、ペット、ヒト、自然環境に多く分布しています。便による2次汚染であらゆる食品や水が原因です。O157は熱に弱く、75゚ C、1分間の加熱で死滅しますが、低温には強いです。
[主な症状]
下痢、腹痛、発熱、吐き気、嘔吐、血便。
(O157等では溶血性尿毒症、意識障害がみられることもあります。)


3 食中毒から身を守るために
3-1 食中毒予防は、清潔な台所から
見た目がいくらきれいな台所も、食中毒菌の温床になっている場合があります。
イラスト ポイント1
ふきんはよく洗浄・乾燥を…湿気を含んだふきんは、食中毒菌の温床になります。そのまま放置しておくのは危険です。洗剤でもみ洗いし、熱湯や漂白剤で消毒して、日光干しなどでよく乾燥して使いましょう。
イラスト ポイント2
手洗いはこまめに…手には大腸菌をはじめ、たくさんの細菌がついています。調理前には必ず石けんで手を洗い、清潔なタオルでふきとりましょう。爪のあいだにも細菌がつきやすいので爪は短めに。
イラスト ポイント3
魚介類や野菜は流水で洗う…魚介類などに付着している腸炎ビブリオ菌は、塩水では繁殖する性質があるので、真水で洗うと除菌に効果的。ボウルの中では、せっかくとれた菌が付着してしまうので、魚介類のほか、野菜も流水で洗うように。
イラスト ポイント4
加熱調理は手を抜かない…食中毒菌の多くは加熱によって死滅させることができます。夏場は生食をなるべくさける工夫も。煮る・焼く・炒める・蒸すの加熱調理で、食品の中心までしっかり火を通しましょう。
イラスト ポイント5
出来上がった料理は、なるべく早く食べる…手際よい調理に努め、出来上がった料理は早いうちに食べる習慣を。弁当などはなるべくその日のうちに食べましょう。
イラスト ポイント6
冷蔵庫の過信は禁物…ほとんどの食中毒菌は、低温の冷蔵室では繁殖しにくく、冷凍室では休眠状態となりますが、死滅はしません。(1)ドアの開け閉めは素早く、(2)冷気の通りをよくするため食品を詰め込み過ぎない、(3)加熱した料理は必ずさまして入れるなど温度の上昇を防ぐ工夫を。


3-2 ”腸”を整えよう〜善玉菌
さらに、食中毒対策には"腸"を整え、免疫力を高めて細菌に感染しない身体をつくっておくことが、食中毒の予防につながります。
腸には100種類以上、100兆個という驚くべき数の細菌が住みついているといわれています。その中には「悪玉」の細菌だけではなく、腸をきれいにしてくれる「善玉」の細菌もいます。
善玉菌・日和見菌・悪玉菌

善玉菌の活躍ぶり
善玉菌は腸内をキレイに保つほか、ビタミンの生成、生活習慣病の予防、免疫力のアップや感染予防にも力を発揮してくれる、頼りになる存在です。

どうすれば善玉菌は増えるの?
・善玉菌の好物である食べ物(オリゴ糖・ビフィズス菌など)を増やす。
・ヨーグルトなどで、善玉菌そのものを補給する。
・たんぱく質や脂肪は適量に。
・不摂生な生活を慎む。

梅雨シーズンに梅干はいかが?
梅雨から夏にかけて、お弁当やおにぎりに欠かせないのが梅干。梅干には食中毒予防の観点からみてもさまざまな効用があります。
(1) クエン酸やベンズアルデヒドという成分が微生物の発生を抑えるため防腐作用があります。 イラスト
(2) 善玉菌であるビフィズス菌を増やす働きがあり、腸の運動を促す作用があります。
(3) さらに、梅干しを食べる際に出るだ液の中に含まれるカタラーゼという酵素には、がんや老化の原因になる活性酸素の毒性を抑える働きがあります。